薬局より
現在(2022.6月)薬剤師10名 薬局助手5名が薬局内で平日はもちろん土日祝日も必ず1名以上が薬局内に薬剤師が常駐し24時間365日働いています。
外来・入院とすべての業務に全員が共通認識を持って取り組んでいます。すべての業務を全員がこなせ、その中でそれぞれが興味のある領域の専門性を身に付けられる環境づくりを目指しています。
個々の薬剤師が自ら考え行動し、専門知識の研鑽と技術の向上を目指して患者様からも医療スタッフからも頼られる存在となり、安全で質の高い薬物療法を実践するために、医薬品管理や情報提供などを通じてチーム医療に貢献しています。
全ての病棟に各病棟担当の薬剤師が一定時間常駐して、患者様の持参薬を含む薬のトータル管理や薬物療法の有効性の確認、副作用の未然防止など患者様に安心、納得して薬物治療を受けて頂けるように尽力しています。
また、同じグループ内の離島・医療過疎地域に1~2か月当院薬剤師が業務応援に行き離島や医療過疎地域の医療サポートも行っています。
外来患者様のお薬ができるまで
処方内容のチェック
診察終了後、医師の入力した処方せんは薬局のパソコンへと送られます。
薬剤師は画面上で処方せんの内容に誤りや不備がないかの確認を行います。
処方せん、薬袋、お薬説明カードの発行
処方箋の内容に問題がなければ、処方せん、薬袋、お薬説明書の発行を行います。
調剤:錠剤取りそろえ、粉薬、水剤の調合、軟膏の混合等
錠剤は必要な数を薬品棚から用意し取りそろえます。
粉薬や水剤(シロップ)、軟膏は1つ1つの薬品を量り取り、必要であれば混合を行います。
薬品の分包
混合した粉薬は1回分ずつを袋に入れる分包を行います。
錠剤は希望者のみ分包を行っています。この分包は機械で行うため、時間がかかる場合もあります。
処方内容、調剤内容に誤りがないかの最終確認
患者様にお渡しする薬の準備が全て出来た後、処方内容に誤りがないかの再確認と、調剤が間違っていないかの確認、監査を行います。
お薬の完成、患者様へのお渡し
窓口で患者様に薬をお渡しします。お渡しできる番号は薬局窓口の左上にある画面で案内しています。
薬局の業務
調剤業務
薬剤師の代表的な業務で、医師の処方箋に沿って薬を用意し、患者さんへ交付することを「調剤」といいます。調剤業務では、まず医師から届いた処方箋を確認(鑑査)し、薬の量や飲み方、飲み合わせ、他の科で出された薬との重複がないかなどを確認します。内容に疑問がある場合は、医師に問い合わせ(疑義照会)をおこないます。処方内容に問題がないことが確認されたら、必要な量の薬を取り揃えます。この際、1回分の服用分がわかりやすいように分包機を使って一包にまとめることもあります。調剤された薬は、別の薬剤師が最終確認(鑑査)したのち、患者さんへと交付されます。疑義照会とは、医師の出す処方箋に対し間違いや疑問があるとき、薬剤師が異議を唱えることです。
当院では開院以来、原則外来の処方は院内調剤(病院の薬局でお薬をお渡しする)となっています。お薬をもらう時は院内処方か院外処方か選ぶことができます。院外処方(近所のかかりつけ薬局等でお薬をもらう)をご希望の方は診察時医師に申し伝え下さい。(当院に在庫が無いお薬は院外処方となる事があります。)
製剤業務
市販されていない薬を病院内でつくることを「製剤」と言います。市販薬で効果が得られない場合や、市販薬の形状のままでは治療に使用できない場合などに、患者さん一人ひとりに最適な形の薬を製剤します。
医薬品の管理
医薬品の購入と保管などの在庫管理、病院内の各部署への供給と管理をおこないます。病院には劇薬や麻薬、血液製剤(血液を原料とする薬)などの厳重に取り扱うべき医薬品もあるため、法律に従い安全に管理します。また、医薬品の品質が維持できるように、温度や湿度、光などの管理も欠かせません。
医薬品情報業務
医薬品情報業務は「DI(Drug Information)」とも呼ばれます。製薬会社や専門文献、インターネットなどで信憑性の高い医薬品の情報を集めて分析・評価をおこない、スタッフが参照しやすいように管理します。また、医師や看護師、患者などからの薬に関する問い合わせが届いた場合は、適切な内容・量の情報をわかりやすい形で提供することも業務のひとつです。
入院患者さんへの服薬指導
入院している患者さんや御家族に対して、治療に用いる薬の効能や副作用、服薬方法を説明します。薬が効いているかの確認や副作用などがないかの確認も行っています。患者が日常的に使用している薬や薬店で購入した市販薬や健康食品などを確認し、治療のために見直したほうがいいものがあれば医師に提案することも薬剤師の役割のひとつです。
外来化学療法
化学療法とは抗がん剤を用いた治療のことで、近年では外来での化学療法が発展していることから、薬剤師の出番も増えています。薬剤師は、抗がん剤の治療計画書(レジメン)の内容を確認し、患者さんに抗がん薬の効果や副作用などを説明します。治療の経過を見る中で処方変更や副作用の軽減や予防のための処方提案をおこなったりもします。
チーム医療への参画
感染対策、栄養管理、急性薬物中毒処置、医療安全対策、災害医療支援、褥瘡対策、病棟活動など、様々な場面でチーム医療の一員として参画しています。
薬学生の実務実習について
現在薬剤師になるためには6年制の薬学部を卒業し国家試験に合格する必要があります。6年制課程の5年生時に病院の薬局と調剤薬局とで各11週間実務実習することが義務付けられています。当院でも1期間に2~3名薬学生を受け入れています。実習の際に、外来窓口・病棟等で薬学生が実際に患者さんに対応することもあるかと思いますがよろしくお願いいたします。