当科では
当科では、様々な基礎疾患による腎臓病の初期から末期までの様々な病態の患者様の加療、経過観察を行っています。腎臓病の進行に伴い、患者様の状態の維持・安定のためには細心の配慮(特に利尿剤や降圧剤の微調整)が必要になってきます。特に高齢者は自覚症状が乏しい場合も少なくなく、診察毎に得られる身体所見や検査所見などを総合し、患者様が良好な状態を保っていけるように最大限配慮しています。
健診での蛋白尿などで紹介いただいた患者様については、若い方も多く、特に腎生検による診断と治療が望ましいと考えられる場合には、腎生検を実施している大学病院等に紹介しています。
当院透析室はベッド20床で、月曜日から土曜日の午前・午後の2クールの血液透析を実施しています。ベッドは1本の通路の両側2列に配置され、コンパクトで見渡しやすく、異常があればすぐ気がつく環境です。3分の1以上の患者様が80歳以上の高齢者であり、90歳以上の方も少なくありません。小柄な高齢者や、糖尿病や心疾患があるため透析低血圧を起こし易い方には、透析中15分毎に血圧測定し、血圧下降の早期発見につとめ、細やかな除水調節を継続しています。透析患者様は症状が乏しいことも多く、院内の諸検査を利用して、患者様の異常の早期発見や状態の変化の把握につとめ、他院とも連携して早期治療に繋げています。
重症例が発生した場合には、必要に応じて長時間CHDF(持続的血液濾過透析)、血漿交換、エンドトキシン吸着等も実施しています。要請に応じて白血球除去療法などのアフェレーシスも実施しています。
シャント治療については、他院と連携して速やかに良質な治療を受けていただける体制を確立しています。進行期腎不全患者様への細心の注意を払った加療の継続と、適切な時期に良質なシャント手術を受けていただくことにより、血液透析導入時も患者様の状態のあきらかな悪化はなく、1週間程度の短期入院を経て、外来透析に移行しておられます。