研究課題名 |
川崎病発症に対する気象環境要因に関するスパースモデリングを用いた探索的研究 |
研究対象者 |
西暦2015年1月1日から2020年12月31日までに近江草津徳洲会病院において川崎病と診断された方 |
研究協力のお願い
近江草津徳洲会病院において上記研究課題名の研究を行います。この研究は、対象となる方の滋賀医科大学で既に保有している情報を用いて行う研究であり、研究目的や研究方法は以下の通りです。情報の使用について、直接ご説明して同意はいただかず、このお知らせをもって説明に代えさせていただきます。対象となる方におかれましては、研究の主旨・方法をご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、本研究への情報の提供を希望されない場合、あるいは、本研究に関するご質問は下記
(8)の問い合わせ先へご連絡ください。
(1)研究の概要について
研究課題名
川崎病発症に対する気象環境要因に関するスパースモデリングを用いた探索的研究
研究期間
滋賀医科大学学長許可日~2025年12月31日
研究責任者
滋賀医科大学 小児科 星野真介
(2)研究の意義、目的について
意義
日本でも罹患率が年々増加している小児疾患である川崎病は発見されてから50年以上経過していますが、発症のメカニズム等は未だに分かっておらず、明確な予防・治療法の確立のためにも発症要因の解明が急務となっています。
川崎病発症に関する先行研究として、感染症、免疫、遺伝的背景など様々は観点から研究されていますが、いずれも単独で原因を説明するには不十分であり、様々な背景が重なって発症すると考えられています。
海外では多くの川崎病発症時に前日との気温差が大きい状況であることを報告しており、気温などの少なくとも1つ以上の環境的要因が発症の原因となっていること、太平洋上空のtropical wind(成層圏近くの気流の流れ)によって運ばれてくるエアロゾルも発症のトリガーになっている可能性があることを示唆していますが、はっきりしたものではなく、さらに日本でも当てはまるものかもわかっていません。
そこで、日本でも川崎病発症と気候との関連を調べる必要があると考えました。まず、滋賀県の患者さんの情報で、気候との関連を調べることにしました。今回、工学分野での新しいデータ解析技術であるスパースモデリング(少ない情報から全体像を掴む手法)を使って調べるため、新しい事がわかるかもしれないと考えています。この研究により、川崎病発症のメカニズムの解明に貢献できると考えています。
目的
本研究においては、滋賀県での川崎病発症例情報と気候データを解析し、滋賀県における川崎病の発症と気候などの環境要因との関係を明らかとすることを目的としています。本研究を初期段階の研究と位置付け、将来的には年間症例数が15000件以上ある日本を解析対象とし、日本での川崎病発症と環境的要因の関連性について調査する予定です。
(3)研究の方法について
研究の内容
本研究は、滋賀医科大学と岐阜工業高等専門学校が行う研究です。研究協力機関として、近江八幡総合医療センター、済生会滋賀県病院、近江草津徳洲会病院、長浜赤十字病院、彦根市立病院、東近江総合医療センター、大津赤十字病院、市立大津市民病院、済生会守山市民病院、公立甲賀病院、日野記念病院が参加しています。滋賀医大またはこれらの病院を受診し、川崎病と診断された患者さんの情報を滋賀医大がまとめ、発症の流行地域や季節、天候との関連について研究を行います。
利用する情報の項目
本研究で用いる情報は既存のカルテ情報から患者さんの発症日(「発熱日」と定義します)、患者さんの郵便番号 生年月、性別、確定診断か不全型かのみを用います。
情報の提供先
収集した情報は研究機関である滋賀医科大学に提供されます。
情報の提供方法
個人情報の安全管理の方法;研究代表者および分担研究者は、研究対象者のデータの取り扱いに関して、個人情報の保護に十分配慮します。研究対象者のデータは連結可能匿名化を行い、LANに接続されていないコンピュータで管理します。 研究協力機関から患者情報を滋賀医大に送付する場合、及び、分担研究機関の岐阜高等工業専門学校とデータを共有する場合は、匿名化コードにより連結可能匿名化を行い、情報の入ったエクセルにはパスワードをかけて送付、そのパスワードはメールで連絡します。研究対象者の個人情報が院外に漏れないよう十分配慮します。対応表の管理は各研究協力機関が行います。
情報を利用する者の範囲
滋賀医科大学 星野 真介
岐阜工業高等専門学校 柴田 欣秀
情報を提供いただく医療機関の機関名・研究協力者氏名
近江八幡総合医療センター 小児科 西澤 嘉四郎
近江草津徳洲会病院 小児科 鈴木 淳史
大津赤十字病院 小児科 樋口 嘉久
済生会守山市民病院 小児科 野々村 和男
市立大津市民病院 小児科 中嶋 敏宏
公立甲賀病院 小児科 岩井 義隆
済生会滋賀県病院 小児科 伊藤 英介
長浜赤十字病院 小児科 成宮 正朗
彦根市立病院 小児科 石上 毅
東近江総合医療センター 小児科 奥野 計寿人
日野記念病院 小児科 杉本 健悟
情報の管理について責任を有する者
所属 滋賀医科大学 氏名 星野真介
本研究に用いた情報の二次利用について
この研究で有用な知見が得られた場合、今回ご提供いただいた情報を用いて全国規模での川崎病の発症と気候との関連を明らかにする研究の実施を予定しています。後続の研究で使用する際は改めて倫理審査委員会において承認を得てから行います。また、滋賀医科大学医学部附属病院のホームページ でその旨についての情報を公開いたします。
個人情報の取扱いについて
本研究を実施する際には、個人を特定できる情報は削除したり関わりのない記述等に置き換えたりして、ご提供いただいた情報が誰のものか分からない状態にして使用します。ただし、必要な場合に個人を特定できるように、対象となる方とその方の情報を結び付けることができる対応表を作成いたしますが、この対応表は各医療機関で保管されます。(研究協力機関から滋賀医大には提供されません。)また、各医療機関では施錠できる場所で担当者によって厳重に管理されます。
(5)研究成果の公表について
本研究の成果は学会発表、学術雑誌およびデータベースなどで公表します。公表の際には個人が特定されることがないよう、十分配慮いたします。
(6)研究計画書等の入手又は閲覧
本研究の対象となる方又はその代理人の方は、希望される場合には、他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で本研究に関する研究計画書等の資料を入手・閲覧することができます。ご希望の場合には、下記(8)の問い合わせ先へご連絡ください。
(7)利用又は提供の停止
本研究の対象となる方又はその代理人の求めに応じて、対象者の方の情報を本研究に利用することについて停止することができます。停止を求められる場合には、2021年6月1日までに下記(8)にご連絡ください。